【ホテル・旅館】ITツールで業務効率化のポイントを解説

宿泊業界は多忙であり、かつ人手不足が深刻な業界の1つです。新人を短期間で育成し戦力にしたいが、ベテランに負担をかけたくない。このような悩みを抱える企業も多いでしょう。

この悩みは、ナレッジやマニュアル(以下、ナレッジ)をIT化し、活用することで解決できます。本記事では宿泊業界の課題を述べた後、IT化されたナレッジを活用するメリットと、業務に役立つナレッジを作成するポイントについて解説します。

目次

宿泊業界の概要

宿泊業界の営業形態はさまざまです。大規模な宴会場を備える旅館や複数のレストランを持つホテルがある一方で、宿泊に特化したホテルもあります。そのなかでも、快適に過ごしてもらうという目的は共通しています。

以前は、団体客や出張客を主なターゲットとする宿泊施設も少なくありませんでした。しかし平成に入って以下の変化が次々と起こり、多様なニーズへの対応が求められています。

・個人旅行が旅の主流に
・高齢者の旅行が活発化
・女子旅の増加
・訪日外国人観光客の急増

また宿泊業界では、「採用も多いが離職者も多い」ことも特徴です。その割合は全体の3割ともいわれており、早期の戦力化や働きやすさの向上が求められています。

宿泊業界が抱える3つの課題

宿泊業界はさまざまな課題を抱えています。ここでは「人の活用」という観点から見た3つの課題を取り上げ、それぞれ何が問題か解説します。

1 人手不足のため、頻繁に新人教育が必要

宿泊業界では人手不足を解消するため、積極的な採用により新人教育もよく行われています。

一方で新人が入ってくるたびに0から教えていたのでは、従業員の負担が増すばかりです。特に宿泊施設は24時間365日営業しているため、新人はさまざまな先輩について仕事をすることになります。このため、忙しい職場でも従業員の手を煩わせずに教育するシステムが求められます。

2 業務の標準化とホスピタリティの両立が求められる

宿泊施設ではさまざまな業務があります。人によるサービスレベルのばらつきを防ぐためにも業務の標準化を行い、属人化の防止と無駄を省くことが求められます。業務の標準化は生産性の向上にも結びつきますから、業績の改善にもつながります。

一方で宿泊施設では宿泊者に快適に過ごしてもらえることが最も重要ですから、ホスピタリティも求められます。業務の効率化はもちろん重要ですが、画一化につながらない配慮も必要です。

3 トラブルやクレーム対応、火災など事故への備えも必要

宿泊施設ではトラブルやクレーム対応など、イレギュラーな事態も少なくありません。建物が原因のトラブルが多いことは、宿泊施設の特徴です。特に給排水やエアコン、照明などのトラブルは、開業から年数がたつほど増えやすく、トラブルやクレーム化に発展した場合は、内容を正確に把握しながら、迅速且つ職場全体で統一した対応が求められます。

加えて火災などの事故や有事に備える必要があり、安全・安心を守るため、迅速な対応はもちろんのこと事前の危機管理対策が必要です。

宿泊業の課題をITを活用したナレッジシェアの導入で解決

スムーズな業務遂行のためにも、積極的にITを活用したナレッジを導入して活用することがおすすめです。ナレッジの活用にはどのようなメリットがあるか、3つに分けて解説します。

1 タブレットなどの端末で手軽に確認でき、誰でも効率的に作業できる

宿泊施設では、マニュアルが多いことが特徴です。あるホテルでは、マニュアルの数が200~260もあるといわれています。よく行う業務は簡易版のマニュアルを作るとしても、あまり頻繁に行わない業務はマニュアルを探すこと自体も面倒に感じがちです。

ナレッジをIT化すれば、タブレットなどの携帯端末ですべてのマニュアルを手軽に確認できます。そのため作業中にわからないことが起きても、その場ですぐに確認できることが魅力です。豊富な写真や動画を用いたナレッジを確認することで、入ったばかりのアルバイトやパートの方でも作業が行え、業務の標準化が実現しやすくなります。

また近年では、1人何役もこなすことを求める宿泊施設もあります。IT化されたナレッジなら慣れない業務もスピーディーに確認でき、スムーズに業務を行えるメリットは見逃せません。

2 新人に教える時間を省くことで、従業員の負担を軽減する

職場に来た新人は活躍すれば頼もしい戦力となりますが、そこまで育てることは大変です。忙しい通常業務に加えて新人教育も増えるとなれば、従業員に高い負荷がかかる点も無視できません。

このような課題も、ITを活用したナレッジで解決できます。タブレットなど端末でも学べる内容はそちらに任せることで、先輩が教えるべき内容を「マンツーマンで伝えるべき内容」に絞れます。これにより短期間で充実な学びを得られるとともに、「人によって教える内容が違う」という問題も防げます。

あらかじめ宿泊施設のさまざまな業務をナレッジ化しておくことで、いつでも何処でも業務に対する理解や知識の習得が行えます。これにより、従業員の負担を軽減しながら新人の育成もできる仕組み化が可能です。

3 イレギュラーな事態にも速やかに適切な対応が行える

ナレッジ共有しておくことで、トラブルへの対応方法を参照することで、突発的な事故や不測の事態への対応にも有効です。PCはもちろん、スマートフォン、タブレットでも参照できる環境を構築しておくことで、有事の際に危機管理マニュアルを探す手間がありません。

宿泊業に役立つナレッジを作成するポイント

上管理、バックオフィスなど多様です。飲食を提供する場合は、調理部門や料飲部門、宴会部門も加わります。

高品質なオペレーションとサービスの提供を短期間で実現するには、あらゆる業務の可視化が必要不可欠です。ここでは宿泊業界におけるナレッジ作成のポイントを、4つに分けて解説します。

1 写真や動画を積極的に使い、「わかりやすさ」を重視する

宿泊施設の業務にはベッドメイキングや清掃など、写真や動画で説明すると覚えやすいものもあります。このためナレッジには文章だけでなく、積極的に写真や動画を活用しましょう。入ったばかりのアルバイトやパートの方でも、理解してもらえるわかりやすさが重要です。

もし文章で説明するならば人によって解釈が異ならないよう、あいまいな言葉を極力使わず、シンプルな表現で示しましょう。

2 お客様にあわせ、柔軟な対応を行う余地を残す

宿泊施設では、お客様にあわせて柔軟な対応を行うことも重要です。このためナレッジではルールや業務の進め方だけでなく、施設の運営方針や仕事を進める指針なども示し、従業員がその場で考えられる仕組みをつくることも求められます。もし業務のすべてをルールで縛ってしまうと機械的・画一的な対応となり、かえって評判を落としかねません。

ナレッジを作成する際には、柔軟な対応を促すためのヒントを集めることも有効です。顧客から感謝された対応や業務効率化に役立った方法などを蓄積することで他の従業員も閲覧でき、宿泊施設の評価アップにつながります。

3 ナレッジの作成はさまざまな職種の方を巻き込む

宿泊施設では分業制となっている場合も多いです。そのためフロント用、清掃やベッドメイキング用など、業務ごとにナレッジを作ろうとお考えの方も多いかもしれません。その場合でも「フロント業務用のナレッジはフロント担当だけでつくる」というように、部門の担当者だけで作ることはあまりおすすめできません。

なぜなら宿泊施設の価値はフロントだけでなく、清掃やベッドメイキング、設備なども含めた、トータルな評価ではかられるためです。顧客満足と業務効率化を両立するナレッジ作りには、担当外の業務も知っておくことが欠かせません。

そのためナレッジの作成にはさまざまな職種の方が関わる「ナレッジ作成チーム」を設けることが有効です。各部門の従業員どうしで知恵を出し合い、あらゆる業務のマニュアル化や情報の更新を担ってもらうとよいでしょう。この工夫により常に価値あるナレッジを利用でき、顧客満足が高く働きやすい職場づくりに貢献します。

4 常にナレッジを改善する仕組みをつくり、運用する

作成したナレッジは「一度作ったら終わり」とせず、顧客の要望や事業環境の変化に対応し続けなければなりません。そのため常にナレッジを改善する仕組みをつくり、実際に運用することが求められます。

この点、タブレットなどの端末で確認するナレッジを活用すれば、改善も比較的容易です。顧客や従業員から得た改善要望を社内SNSやメールなどで受け付け、該当箇所だけ修正すればよいわけです。従業員からナレッジに直接コメントを入れてもらう方法は、現場で起こっている生の声が共有されるためおすすめです。

またコメントに寄せられた改善要望は速やかにチェックし、ナレッジへの反映はもちろん投稿者へフィードバックすることも重要です。改善の繰り返しが高品質なサービスや効率的な業務につながるうえ、提案者のモチベーションを高めることで提案が積極的に集まりやすくなる効果も見込めます。

今後の宿泊業界では、ナレッジの活用が成功の鍵

宿泊業界では速やかな即戦力化と、顧客満足が重要なポイントです。そのためにはITを用いたナレッジを活用し、円滑に業務を進めることが成功の鍵です。各自のペースで業務を学ぶ仕組みを設けることで、忙しい施設でも正しい仕事の進め方を学び、新人や未経験者でも短期間で戦力に育て上げることが可能です。

チームのナレッジシェアにtoaster teamを活用しよう

toaster teamはチームを強くするコラボレーションツールです。ご紹介したナレッジシェアの仕組みや業界用語・専門用語を辞書化できる機能など、宿泊業界におけるさまざまなオペレーションや人材育成など幅広くご活用いただけます。是非貴社の事業にご活用ください。

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